袴スタイルの場合、足元は「草履」または「ブーツ」を合わせます。和装の際の履物は草履が基本ですが、最近では厳密にこだわることもないため、ブーツを合わせて楽しむ人も多く見られます。草履は古典的で上品なイメージ、ブーツはモダンでハイカラなイメージにコーディネートでき、どちらにもそれぞれの良さがあります。
「草履」の場合のメリット、デメリット
草履の場合、いちばんのメリットは脱ぎ履きのしやすさにあります。ブーツだと、履き口をその都度ファスナーで開閉して脱ぎ履きしなければならず、なかなか手間が掛かりますが、草履ならサンダル感覚でサッと脱ぎ履きができてとってもスムーズ。また、コーディネートの側面から見ると、どんな着物や袴に合わせても違和感なくマッチし、古典的な雰囲気で上品な印象を与える袴スタイルが楽しめます。着物の色柄や、きん着や髪飾りといった小物の色と合わせたり、自分らしいコーディネートにこだわれるところも草履ならではのメリットと言えます。
一方、草履のデメリットとしては、普段履きなれないものだけに、歩きにくかったり、足が痛くなりやすかったり…ということがあげられます。また、雨や雪など天候が悪い日に履くと、足が濡れたり冷えたりしやすいので、充分な注意や対策が必要です。
草履と合わせた袴スタイルはこんな感じ!
草履スタイルだと、着物の美しさが一層引き立つよう!「和」ならではの雅なイメージでまとめたい人、古風なテイストで上品にまとめたい人におすすめです。
「ブーツ」の場合のメリット、デメリット
ブーツの場合のメリットは、ヒールの高さがあるぶん、背が低い人でもスラリと長身かつ脚長に見え、スタイルアップが期待できる点があげられます。また、大正時代の女学生を彷彿させる、レトロで可愛いハイカラさんスタイルになれるということで袴姿にブーツを合わせる人も多いようです。ブーツには、こういった見た目で得られるメリットの他に機能面のメリットもあります。草履と違い、普段から履きなれているものなので歩きやすいという点や、雨や雪の日に履いても水が染みにくい、靴下やタイツで防寒対策がしやすいという点です。
ですが一方で、脱ぎ履きに手間が掛かってしまったり、紐がほどけるといちいち結び直さなくてはならない…というデメリットも。また着物のデザインによっては、ブーツを合わせることでカジュアルに見えてしまい、卒業式という厳かな式典には不釣り合いになってしまう場合もあるので、コーディネートのバランスをしっかり考慮する必要があります。
ブーツと合わせた袴スタイルはこんな感じ!
ブーツスタイルだと、和洋折衷のモダンな雰囲気!レトロ可愛い「ハイカラさん」のイメージでコーディネートできるのも人気の理由。背が低い人にもおすすめです。
草履に比べてブーツは短め。袴を着付ける長さが違うことに注意!
満足のいく袴スタイルを叶えるには、それぞれのメリット、デメリットを考慮した上で、自分らしい足元を選ぶのがいちばんですが、より美しく着こなすために注意して欲しいポイントがあります。それは、袴の丈の長さ。
一般的に、草履はくるぶしが見えない程度に長めに着付けるのに対し、ブーツは足首のあたりを目安にやや短めに着付けるのが美しく見せる秘訣です。そのため、自分の足元のスタイルに合わせて袴の丈を選んでおかないと、バランスの悪い着姿になってしまうのです。袴を選ぶ際には「草履は長め、ブーツは短め」これを頭に入れておきましょう!
足元は防寒対策も必須!草履、ブーツそれぞれの対策法
多くの場合、卒業式が行われるのは3月ですが、寒さが厳しい日も少なくありません。足元は特に冷えるので、防寒対策をしておく方が安心です。
ブーツの場合は、足袋を履く必要がないので、お手持ちのハイソックスやタイツを履いておくと防寒対策になります。この場合、色は黒にしておくとブーツを脱いだ時も、あまり違和感が出ないでしょう。
また草履の場合は、足袋の着用が必須になるのでハイソックスやタイツは無理ですが、貼るタイプのカイロを足袋の裏に装着しておくと冷えが緩和できます。どうしても寒い…という場合は、袴の下にレギンスを履くと良いでしょう。この場合、袴の裾からレギンスが見えないよう、短め丈のものを履くか、裾を折り返すなどの工夫をしましょう。