大学の卒業式で定番の袴スタイルが、最近は小学校の卒業式でも増えてきています。小学6年生の娘さんから「私も袴を着たい!」とリクエストされ、どうしようか検討中の親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。そこでここでは、小学生の女の子が袴を着る場合、どんなことに注意が必要になるのか、詳しくご紹介します。

(※この記事は2016年11月25日に公開したものを加筆修正しました。)

 

卒業式当日の袴の着付けやヘアーアレンジは誰がする?

小学生はこれからまだまだ身体が成長するので、卒業式用に着物や袴を購入するという方は少なく、ほとんどの方がレンタルをされる傾向にあります。また、そのレンタルの多くは業者から衣装一式を数日間借り受け、使い終わったら返却するというもので、袴と着物の着付けやヘアーアレンジは内容に含まれていないため、どう対処するか予め決めておく必要があります。

 

小学生の女の子の袴の着付けとその注意点

袴の着付けは、処理が難しい帯やおはしょりの部分が隠れるため、着物の着付けほど難しくありません。なので、何度か練習をしてご自宅で着付ける方もいらしゃいますが、卒業式は一度きりの大切な日ですので、美容室などで着付けのプロにお願いする方が安心でしょう。その場合、式典が始まる時間や学校までの移動時間なども考慮して予約を入れましょう。卒業式シーズンの予約は早めにしないといっぱいになることもあるので、その点も気をつけておきましょう。

小学生の女の子の袴の着付けとその注意点

ヘアーアレンジも同様です。袴姿はそれだけで充分華やかなので、小学生であればあまり手の込んだ派手なヘアーアレンジは必要なく、ご自宅でできるシンプルなアレンジでよいと思いますが、美容室などへ頼む場合は時間や予算を考慮して手配を進めるとよいでしょう。

小学生の卒業式_注意点01 小学生の卒業式_注意点02

 

 

式典会場での防寒対策は大丈夫?

小学生の場合、卒業式が行われるのは主に体育館。そして時期は3月。空調設備や防寒対策が整っていれば別ですが、床が冷たく室温も低い場合が多いのではないでしょうか。そんな中での袴姿は、かなり寒いことが予想されます。

 

袴(下半身)の防寒対策

袴の構造はスカートと同じで帯から下は筒状のため脚や腰が冷えがちです。ですので、袴の下にレギンスやタイツ、ハイソックスを履くなど防寒対策を考えておく方がよいでしょう。ただし、合わせる履物が草履かブーツかにも留意して選んでください。寒さが苦手な人は、レギンスなどの上に貼るカイロを使うとより効果的です。

着物(上半身)の防寒対策

着物の下にも、温かい下着を着ておくと安心です。その場合、袖が長いものは手を上に挙げた時に着物の袖口から見えてしまうことが多いので、七分袖くらいの短めの下着がおすすめです。また衿元も着物から覗かないよう、やや開きの広いタイプを身に着けるようにするとよいでしょう。

卒業式_防寒対策01  卒業式_防寒対策02

 

 

基本的な感染防止対策は卒業式でも忘れずに!

卒業式は、小学生としての最後を締めくくる晴れ舞台。普段と違う気持ちになるのも当然ですが、基本的な感染予防対策は忘れないようにしましょう。教室や式場に入る際のマスク着用、手指消毒、保護者の入場制限など、学校内でのルールには気をつけていても、卒業式が終わった後は気が緩みがち。クラスメイトと記念撮影をしたり、寄せ書きのメッセージを書いたりする際も、ハメを外し過ぎて対策が疎かにならないよう注意しましょう。

 

 

足元は草履?ブーツ?式典会場では上履き?

袴の場合、足元は草履が基本スタイルですが、最近は厳密にこだわることもないため、ブーツを合わせるスタイルも人気です。どちらを選んでもOKなのですが、小学生の場合は教室や式典会場(主に体育館)で上履きに履き替えること、草履や足袋を履きなれていないことから、ブーツにする方が無難かもしれません。

 

小学生の女の子が草履を履く場合の注意点

履物を草履にする場合、必ず足袋を履きますが、足袋の上から上履きを履くなると窮屈な上、脱ぎ履きもしにくくなります。ただでさえ慣れない袴を着ているのに、さらに足元まで普段と勝手が違うとなると、小学生にとっては大きな負担になるでしょう。

また、草履とブーツでは袴を着付ける長さが異なります。ブーツがやや短めに着付けるのに対し、草履はくるぶしが見えない程度に長めに着付けるのが一般的です。そのため、ヒール部分にやや高さのある草履からペタンコの上履きに履き替えた時、床に袴の裾を引きずったり、階段などの段差がある所では裾を踏みやすくなり、転倒の可能性が大きくなります。

小学生の場合、これらの点を考慮すると、草履はあまりおすすめしません。

小学生の女の子にブーツがおすすめの理由

履物をブーツにする場合、足袋の代わりにハイソックスやタイツを履きます。普段から履き慣れている上、底冷えする体育館では防寒の効果も発揮します。

またブーツ自体、履き慣れていない草履よりは格段に歩きやすく、袴の裾も短めに着付けるので、踏んで転倒する可能性も草履に比べて低くなります。

そのため小学生の場合は、ブーツを選ぶことをおすすめします。なおブーツを履く場合は、色や形状、ブーツ丈など、気をつけたいポイントがあるので、以下のページも参考にしてみてください。

「袴に合うブーツの選び方」はこちらから >>

 


footwear_zori  footwear_boots  footwear_uwabaki

 

 

袴の着崩れは避けられない?どう対策する

活発に動く小学生のことですし、普段から着慣れてる洋服とは勝手が違うものですから、せっかく着付けた着物や袴が式典が終わる前に着崩れてしまうこともあるかも知れません。一緒に居る時はサッと直してあげることもできますが、教室で過ごしている時間や式典の最中だと、そういう訳にもいきません。

袴の着崩れを想定した上で、ある程度は自分でも直せるように教えておくと安心ですが、やはり一人できれいに直すのは難しいので、直し方よりも着崩れしない動き方を教えておく方がベターでしょう。

特に注意したい動きは、椅子に座る時と、階段の昇り降り。普段通りの感覚で行うと帯の部分がずれたり、袴の裾を踏んでしまったりして着崩れの原因になるので、当日を迎えるまでにご自宅で練習しておくと安心です。なお、着崩れを心配して帯をきつく締め過ぎててしまうと、式典の最中に体調が悪くなってしまう可能性もあるのでご注意を。着崩れ対策については、以下のページで詳しく紹介していますので参考にしてください。

「袴の着崩れを起こさない!シーン別対策法」はこちらから >>

 

袴の着崩れ対策_椅子に座る  袴の着崩れ対策_階段の昇降

 

 

トイレはどうする?和式でも大丈夫?

小学生の女の子が卒業式に袴を着る場合、もっとも心配なのはトイレではないでしょうか。袴はスカートと同じ構造なので、その都度、脱ぎ履きをする必要はありませんが、着物の袖や袴の裾が長いため、床につかないよう注意が必要です。その上、トイレは洋式とは限りません。和式トイレの場合はさらに注意が必要になります。うっかり汚してしまったり、着崩れが起きたりしないよう以下のポイントをしっかり教えてあげてください。

1)着物の両袖を帯と袴の間に挟み込む

座った時に袖が床につかないよう、帯と袴の間にしっかり挟みます。袖がコンパクトになるため、続く動作もしやすくなります。

2)袴と着物の裾を一枚ずつ持ち上げる

袴 → 着物 → 長襦袢 というふうに外側から順番に一枚ずつめくって持ち上げます。身頃の左右が重なっている着物と長襦袢はまとめて持ち上げようとすると着崩れの原因になります。

3)いちばん内側の肌着で全体を包み込んで固定する

いちばん内側に着ている肌着で、2)で持ち上げた着物と長襦袢を包み込み、両端を結んで固定します。袴はスカートのようにたくし上げておいてください。

4)袖や裾が元通りに直っているか確認する

トイレが済んだら、先程とは逆の順番で一枚ずつ戻し、挟んでいた袖を抜きます。全身を見て乱れたところがないか、元通りになっているかを確認します。

なお、袴の下にタイツなどを履く場合、股上があまり深いタイプだと締めた帯に押さえられて下ろしにくくなるので、着付けの際に気をつけましょう。トイレの後、手を洗う際は袖口を濡らさないよう注意しましょう。

 

袴の場合_トイレの手順01  袴の場合_トイレの手順02

 

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卒業式の衣装として人気が高まっている袴ですが、小学生の女の子が着ると考えると親御さんには色々な不安や心配がよぎることでしょう。一度しかない小学生の卒業式ですので、お子様にとっても親御さんにとっても素敵な想い出になるように事前に親子でしっかり話し合って衣装決めをしてください。

丸昌 横浜店では、大人より身体が小さく華奢な小学生向けに身長140cmからの袴をご用意しております。袴も着物も体格に合ったサイズを選ぶことで、バランスの取れた着姿になり全体も美しく見えますので、小柄なお子様にも安心です。