卒業生の担任の先生の中には、生徒たちへのはなむけの意味を込めて、卒業式には普段よりも厳かな袴姿で臨もうと考えておられる方がいらっしゃるかと思います。そんな先生方へ、袴スタイルだからこそ気をつけたいお困り事とその対策をご紹介します。

 

まずは衣装選びとその予約をどうする?

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卒業を控えた生徒を受け持たれている先生にとって、卒業式までの残り数ヶ月は自分の時間もままならないほど忙しい時期ですよね。そんな中で、どんな着物と袴を着るかを考え、自分の希望に合うものを探し出し、予約の手配をするのはなかなか骨の折れる作業だと思います。

ですが、ギリギリの時期になって慌てて準備をすると、いろいろと後悔するような問題も…。例えば、取り掛かりが遅かったせいで好みの着物や袴はどれもレンタル済みだった…とか、焦って場当たり的にレンタルしたら他の先生と色や柄がかぶってしまった…とか。

ですから、できるだけ忙しさがピークを迎える前に衣装選びを開始されることをおすすめします。店舗まで出向く時間が取りづらい方は、インターネットでの宅配レンタルサービスを利用するのもひとつの手です。24時間いつでも都合の良い時に衣装選びができ、質問や疑問などがあればメールや電話で回答してくれる業者がほとんどですし、予約注文した衣装は宅急便で届けられ、利用後も宅急便で返送すればOKというシステムの場合が多く、忙しい先生にとっては非常に手軽で便利です。

早い時期に予約を申し込むと割引のサービスがあったりもするので、まわりの同僚、先輩の先生方とも事前に相談、確認をした上でレンタルするとよいでしょう。

宅配レンタルのお手軽3ステップ

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着付けやヘアアレンジで失敗しないためには?

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先生方の中には、何とか衣装の準備は済んだものの、忙しさのあまり着付けやヘアメイクの段取りが不十分で、その後の対応に苦心した…という方もいらっしゃるようです。中でも、美容室の定休日と卒業式の日がかぶっていたり、近隣の学校の卒業式が同日だったりして予約が取れず、別の美容室を探すのが大変だった…というケースはよくあるようですので、スケジュールをきちんと確認して早めの予約をするのが鉄則と言えそうです。

また、どんなヘアアレンジにするか具体的に決めていなかった…着付けにどんな小物が必要かきちんと確認していなかった…という理由で、美容室での支度に手間取ってしまう方もいらっしゃるようです。当日、思わぬアクシデントに慌てなくて済むよう、衣装が揃った段階で美容室の方にも確認してもらい、必要なものの準備やヘアアレンジの相談をしておくとスムーズに支度が進み、安心して卒業式へ向かえるでしょう。

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袴スタイルは寒くない?何か事前に対策しておくべき?

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卒業式が行われるのは、だいたい3月の半ばから後半にかけて。地域差もありますが、日によっては霜が降りたり、結氷や降雪があったり、まだまだ寒さが残る時期です。その上、卒業式が行われる会場は底冷えのする体育館という学校が多く、暖房器具があったとしても寒さを感じるのではないでしょうか。

袴スタイルの場合、着物を着た上に袴を合わせるので、腰回りの寒さは大丈夫だと思いますが、袴の中はスカートと同じ構造なので脚は寒さ対策をしておく方が安心です。例えば、レギンスやボトムインナーを下に履いておくと暖かさが断然違ってきます。その場合、袴から覗いてしまう場合もあるので、丈が短めのタイプを履いたり、裾を折り上げておくなどの工夫をすると良いでしょう。それでも心配な方は、ベージュなどの肌色と近いものを選んでおくと目立たないので安心です。また、当日の気温や体調によっては、着物の下にもインナーを着て対策しましょう。この時のポイントは、着物から覗きにくいデザインのインナーを選ぶこと。着物は袖口が広い分、手を上に挙げた時にインナーが覗きやすいので、七分袖くらいの短めタイプがおすすめです。また衿元にインナーがチラ見えしてしまうと、せっかくの袴姿も魅力半減なので首周りの開きが広めのタイプを選びましょう。

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学校までの移動は?何に注意するべき?

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先生方の中には、学校への通勤手段が電車やバスなどの公共交通機関ではなく、マイカー運転という方も多くいらっしゃると思います。たとえ卒業式の日でも、それは変わらないのではないでしょうか。しかし、ご自身で運転をされる場合、普段の服装と袴姿とでは少々勝手が違います。まず足元。スニーカーやパンプスでの運転は慣れているかもしれませんが、袴姿の場合は 、履きなれない草履です。そして袴。構造はロングスカートと同じですが、ボリュームがあるため運転席への乗り降りは普段通りにはいきません。さらに帯。袴で隠れているとは言え、いつものようにシートにもたれると潰れてしまい、着崩れの要因になってしまいます。また、洋服と違って着物は袖が長いので、ドアに挟み込んでしまう可能性もあります。そもそも袴は車の運転を考慮して作られたものではないので、充分に注意する他にコレといった対策方法はないのですが、せめて足元は運転用に普段履きなれたシューズを準備しておくといいですね。

また、運転席のドアを開閉する時や座席に乗り込む時に、着物や袴の一部が車に触れることもあるので、事前に車のボディを拭いたり、洗車したりしてきれいにしておくと、汚れがつく心配が軽減できます。

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会場内での履物は?履き替えが必要?

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卒業式が行われる会場は、体育館などの室内という場合がほとんどだと思います。そしてその場合、履物は室内用のものに履き替える必要があるのではないでしょうか。学校によるとは思いますが、屋外で履いていた草履がそのまま室内でも履けるとは限らないことを考えると、卒業式の会場内での履物をどうするかあらかじめ考えてておいた方が良いかもしれません。

会場内で草履OKという場合は、屋外用と分けて2つを準備するか、もしくは屋外では普段のシューズ、会場で草履というふうに使い分けてもいいですね。会場内で草履NGという場合は、着物や袴の色合いやデザインに合わせて、足袋でも履きやすいスリッパを準備しておくと安心ですね。

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卒業式の後、衣装はそのまま?不便はない?

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卒業生の担任の先生の場合は特に、式の余韻や生徒たちとの思い出にしばらく浸りたいところですが、会場の後片付けなど、式当日も学校内でやるべき仕事が色々ある!という先生方が多いのが実情のようです。

そんな時、袴姿のままだと動きづらく、着崩れたり、汚れたりするリスクも増えます。ですから、ちょっと荷物は増えますが、卒業式が済んだら普段の服装にチェンジできるよう、学校に着替えを持って行っておくことをおすすめします。

学校に職員用の更衣室があり、広さも充分であれば問題ないのですが、ただ脱いで着替えるだけでなく、着物や袴をたたむスペースも必要になるので、場合によっては着替えのための場所を確保しておくと安心かと思います。

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