慣れない袴で過ごす一日は、洋服と勝手が違うことがいっぱい。普段なら何も気に留めないような所作が着崩れの原因になってしまうことも…。でも、注意点を知っておけば大丈夫!袴の着崩れをできるだけ抑えるためのポイントをシーン別にご紹介します。

(※この記事は2015年12月28日に公開したものを加筆修正しました。)

 

【目次】


いすに座るときはどうするの?

階段の上り下りのポイントは?

車の乗り降りで気を付けることは?

トイレに失敗しないためには?

もし、着崩れてしまったら…。その場合の緊急処置

 

 

いすに座るときはどうするの?

卒業式当日は、いすに座って過ごす時間が多くなりますね。袴姿の場合、普段通りの座り方をすると着崩れを起こす場合があるので、座るときのポイントを押さえておきましょう。
腰掛けるときには、袴の両脇から手を後ろに入れて、袴を少し持ち上げながら座ります。持ち上げないで座ると、重みで袴が引っ張られたり、後ろのふくらみがつぶれたりして、着崩れの原因になります。
また、背もたれに寄り掛からず、浅く腰掛けることを意識しましょう。腰を下ろしたら、着物の両側の袖を引きずらないように重ねてたたみ、ひざの上に置きます。背筋をぴんと伸ばして、両足は広げずそろえて座ると上品な印象に見えます。

 

 

階段の上り下りのポイントは?

袴は裾が長いので、階段の上り下りには注意が必要です。
上るときには前の袴が階段につかないように、袴の両脇から手を入れて、前を浮かせるようにしましょう。袴を浮かせないまま上ると、前の裾を踏んで転んでしまったり、着崩れたりしてしまいます。
下りるときは、後ろの裾を注意します。視界に入らないので、上がるときよりさらに慎重に。袴の両脇から手を入れ、お尻のあたりをふんわりと持ち上げましょう。そうすると、裾を踏まずに上手に下りられます。着崩れの心配もありますが、何より安全が第一なので、慌てずゆったりとした動作を意識してください。

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車の乗り降りで気を付けることは?

移動に車を使うこともありますね。乗り方が悪いと、品のない印象になるだけでなく、帯をつぶしたり、裾が引っ張られたりして着崩れの原因に。
車に乗るときは、まず荷物を車中に入れましょう。そして、座るときと同様に袴の両脇から手を後ろ側に入れ、裾を少し持ち上げたままお尻から体を入れます。座席に腰かけたら、今度は袴の両側から手を前側に入れて裾を軽く持ち上げます。着物の袖はひざの上に置き、体を座席側に90度回転させて、最後に足を入れるとスムーズです。ドアに袴を挟まないよう気を付けましょう。
車内では、帯をつぶさないように、シートにもたれず浅く腰掛けて。前の座席をつかんで体を支えるようにすると安定します。着付けた状態をできるだけ保ち、張力や圧力がかかるのを防ぐのが着崩れを防ぐポイントです。

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トイレで失敗しないためには?

袴を着てからトイレに行きたくなったらどうしよう?トイレに行った後、着物や袴が着崩れてしまったらどうしよう?そんな心配をされる方も多いのではないでしょうか。卒業式で着用される袴の多くは、行灯袴といって、股のないスカート式がほとんど。ロングスカートを着ているような感覚でトイレを利用でき、ポイントさえ押さえておけば大きな着崩れは防げます。

トイレに向かう前に心がけるポイント

トイレでの失敗を避けるには、事前の準備や心がけも重要な要素になります。例えば、時間に余裕を持って早めのタイミングで行くこと。なぜなら、時間がないと気持ちが焦り、単純な動作でもミスを招きやすくなるからです。また、着慣れない卒業袴では、できるだけ広い洋式トイレを選ぶことも大事なポイント。衣装が汚れたり、着崩れたりするリスクを減らすことができます。その他、必要に応じて衣装を固定するためのクリップなど、お役立ちグッズを持参するのも有効です。詳しくは以下の項目で説明しているので、ぜひ参考にしてください。

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失敗しにくい、トイレでの動作手順

トイレの個室に入ったら、慌てず丁寧に次の手順で動作を進めていきます。ここでは、衣装が濡れたり汚れたりするリスク要因を排除することと、何がどの順番で重なっているのか着付けの構成を把握すること、この2点が重要です。

【STEP01】洋式便座のフタを閉める
【STEP02】 衿元をハンカチでカバーする
【STEP03】 袴の裾をめくり上げる
【STEP04】 めくり上げた袴の裾に着物の袖をまとめる
【STEP05】 着物、長襦袢を順番にめくり上げる
【STEP06】肌着でひとまとめに包んで持ち上げる
【STEP07】ショーツを下ろして便座に腰掛ける
【STEP08】便座のフタを閉めて水を流す
【STEP09】裾を肌着、長襦袢、着物、袴の順番に戻す
【STEP10】 個室を出て手を洗う

それぞれのステップの具体的な動作と注意点は以下の項目で詳しく説明しています。ひと通り手順を覚えたら、お家でシミュレーションをしておきましょう。

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また、トイレが済んだら全身のチェックを忘れずに。袴姿がもとのように整っているか、見た目や着心地で気になる点がないか、確認しましょう。チェック項目と確認時のポイントは以下でご紹介しています。

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もし、着崩れてしまったら…。その場合の応急処置

いくら注意していても、慣れない着物と袴を着ていれば、着崩れてしまうことは十分あり得ます。ですが、慌てて対処するとかえって逆効果。やり方を間違ってしまうと、余計に着崩れがひどくなる場合もあります。

袴姿の場合、特に着崩れやすい部分は着物の衿元と、袴を着付けた帯の位置。衿元はどうしても人目につきやすい部分ですし、袴も帯の位置がズレると裾を引きずることになってしまうので、気づいた時にサッと自分で直せるよう、応急処置の方法を覚えておくと大変役立ちます。

着物の衿元の着崩れ・応急対処法

まず、袴の右脇から右手を入れて着物の下前(右側の前身頃)をつまみます。次に左手で首元の衿の部分をしっかりと押さえながら、下前をつまんだ右手を丁寧に引き下げて整えてください。

袴の帯の着崩れ・応急対処法

袴がずり下がってきた場合、その原因の多くは、着付けた帯の位置が下がっていることにあります。処置としては、帯ごと袴を上に持ち上げて直しますが、その時に着物まで一緒に上らないよう、袴の右脇から右手を入れて着物の衿先を下に引っ張りながら持ち上げてください。

詳しいやり方は以下のページで写真やイラストを交えてご紹介していますので、参考にしてください。

こんなときどうする?トラブル時の応急処置

 

 

晴れ着の丸昌 横浜店では、卒業袴レンタル提携校の場合、着付けもサポートしています

学生生活の最後を締めくくる卒業式。大事なイベントだけに、できる限り着崩れを防ぎたいものですが、キレイな袴姿をキープするためには、袴姿での所作だけでなく、着崩れを起こしにくい着付けを施すことも重要です。例えば、しっかりした品質・性能の着付け小物を使うことや、豊富な経験とスキルのある着付け師の方に着付けてもらうことなどが秘訣のひとつです。

晴れ着の丸昌 横浜店では、全国どこからでもご利用いただける卒業袴ネットレンタルの他に、関東・甲信越・東海エリアの提携校を対象にしたレンタルプラン(大学生協様との連携事業)を展開しており、衣装レンタルと合わせて、着付け・ヘアーメイクのお支度や記念写真の撮影までサポートしています。これは晴れ着の丸昌 横浜店が30年以上に渡って行ってきたサービスであり、その内容・品質には高い評価をいただいております。着付けには高い技術力を持ったスタッフを配置し、着付け小物もこだわりを持って厳選したものを使っておりますので、安心してご利用くださいませ。また、提携校向けのプランをご利用いただいた後、着崩れが起きてお困りの方は、着付け会場にお戻りいただきスタッフにお声がけください。順番をお待ちのお客様の人数や式典開始までの時間など、その時の状況にもよりますが、できる限りで最善の対応を行わせていただきます。

※着付け会場の撤収状況によっては、対応ができない学校もありますのでご了承ください。

 

▼関東・甲信越エリアの提携校はこちら

https://sotsugyojiso.com/

▼東海エリアの提携校はこちら

https://sotsugyojiso-tokai.com/