卒業式の主役は生徒ですが、先生にとっても大切な節目となる日です。だからこそ、凛とした袴姿で出席したいものです。ここでは先生の式服としてふさわしい基本の袴スタイルをご紹介します。
※袴の着こなしは、地域や学校によっても風習が異なりますので、こちらはあくまでも参考に、ご自身らしい装いをなさってください。
先生の正統派の袴スタイル
先生方が着られる場合、袴の色は落ち着いたトーンの単色のものをおすすめします。中でも、紺、紫、エンジ、黒などは定番色です。定番色以外では、着物の色合いに合わせて、茶やグレー、緑などを選ぶとモダンな印象になります。
グラデーションやぼかしの入った袴の場合は色のトーンが激しいもの、柄や刺繍が施された袴の場合は華美な印象のものは避けた方が無難でしょう。足元はブーツではなく草履を合わせるのが礼装としては一般的です。
袴に合わせる着物の種類
色無地
「色無地+袴」は、落ち着いた印象の着こなしになり、式服としては基本のスタイルと言えます。色無地は、黒以外に染められた柄のない無地の着物のことで、通常、明るく華やかな色は吉事に、暗く沈んだ色は凶事に用いられます。未婚・既婚、年代を問わず、幅広い場面で着用できるのが特徴で、単色の袴を合わせると、卒業式にふさわしい凛とした印象になります。
訪問着
「訪問着+袴」はワンランク上の着こなしを目指す方におすすめのスタイルです。訪問着は、留袖に次ぐ準礼装の着物です。肩から胸、袖にかけて縫い目に関係なくひとつのつながった絵のように施された絵羽模様が特徴で、さまざまな社交場面で着られます。卒業式の主役はあくまでも生徒なので、品が良く主張しすぎない色・柄のものを選ぶと好印象な着こなしになるでしょう。
小振袖
「小振袖+袴」は華やかさが際立つスタイルです。小振袖は振袖の中でも一番袖が短いので、活動的な印象で着こなせ、軽くて動きやすいことが魅力です。未婚・既婚を問わずに着用できますが、おしゃれ着にあたるものなので、厳かな式典の衣装としてはNGという場合もあります。卒業式にお召しになる場合は、職場の規律や風習を確認した上で選ばれるとよいでしょう。
着物の色と柄について
卒業式にお召しになる着物の色や柄は、あくまでも生徒たちを送り出す立場であることを意識して選ばれるとよいでしょう。色合いで言うと、鮮やかな赤や派手なピンクといった彩度が高い色は避け、落ち着いたトーンの色をおすすめします。
また柄については、小花などの上品で繊細な雰囲気の柄や、落ち着いた印象の古典柄などは、厳かな式典の場にもマッチします。金糸や銀糸で模様が入っているような華美な柄や、絢爛な金彩細工が施された柄、女学生のようなカジュアルな印象の柄は避けたほうが無難です。
ヘアスタイルとメイクについて
ヘアスタイルはできるだけシンプルで、清楚な髪型が望ましいでしょう。ロングヘアであればアップにしてすっきりとまとめると、袴姿がキリッと引き立ちます。髪飾りをつける場合は数を控えめにし、派手すぎないデザインのものがおすすめです。
お化粧はいつもよりちょっと華やかな程度が、生徒たちの門出を祝う立場の先生にはふさわしいでしょう。