卒業式を除くと、普段はなかなか着る機会が少ない袴。そのため、いざ袴を着ようとしたときに、どんなアイテムを準備したらよいのか分からず、戸惑う方も多いでしょう。ここでは着付けで使われるアイテムをご説明します。

 

袴スタイルに必要なアイテム

美しい袴姿を完成させるには、袴や着物の他にも数々の小物が必要です。聞き慣れないものも多いと思いますが、この機会に覚えておくと、準備の際にも役立つでしょう。

ただし着付けに関しては、さまざまな流儀や方法があります。すべての小物が必ず必要というわけでも、このやり方でないと絶対ダメというわけでもありません。また、地域や学校によってふさわしいとされる着こなしには差があります。ご紹介する内容はあくまで参考に、それぞれの実情に応じて、ご自身らしいスタイルで当日をお迎えください。

 

①袴

卒業式の衣装として着用される袴は、行灯袴(あんどんはかま)と呼ばれるスカートタイプのものです。先生方がお召しになる場合は、落ち着きのある色合いがおすすめです。紺やエンジ、黒といった色は定番カラーの代表です。シンプルな単色のものはスッキリと引き締まった印象になり、ぼかしや刺繍などが入っている場合は、あまり華美でないものを選ぶと好印象にまとまります。

 

②着物

袴に合わせる着物としては、色無地、訪問着、小振袖の3種類が一般的です。

色無地は、どの世代の方が着ても落ち着いた印象になるので、先生方にとっては無難で使い勝手のよい着物です。訪問着は肩、胸、袖にかけて模様が入っており、上級な着こなしを目指す方におすすめです。卒業式には上品な色合いや繊細な柄のものを選ぶとよいでしょう。小振袖は華やかさが際立つ着物です。振袖の中では袖丈が短く、軽くて動きやすいのも特徴です。本来はおしゃれ着ですが、近年では卒業式などの式典に着られる方も増えています。

卒業式の主役はあくまでも生徒なので、鮮やかな赤やピンクなど派手な色合いよりも、落ち着いた色合いが適しています。また、柄についても上品で繊細な雰囲気のものがふさわしく、華美な装飾がされた柄、矢絣のような学生っぽい印象の柄は控えた方がよいでしょう。

 

③肌着(はだぎ)

素肌の上に着用するもので、肌襦袢(はだじゅばん)とも呼ばれます。長襦袢や着物に汗や汚れが付くのを防ぎます。スリップ状のワンピースタイプのものや、肌着と裾よけの上・下半身に分かれたセパレートタイプのものがあり、使用される素材もさまざまです。

 

④長襦袢(ながじゅばん)

肌着(肌襦袢/はだじゅばん)の上、着物の下に着用する着物です。通常、着物の衿が汚れるのを防ぐための半衿(はんえり)を付けて使用します。長襦袢は汗や垢などで着物が汚れるのを防ぐ役割をします。

 

teacher_kitsuke

 

⑤重ね衿(かさねえり)

伊達衿(だてえり)とも呼ばれるももので、着物を重ね着しているように見せるために、着物の衿の内側に重ねて使います。先生の礼装の場合は、派手な印象にならない控えめな色合いのものを選ぶのが一般的です。

 

⑥袴帯(はかまおび)

袴の下に結ぶ幅15センチほどの帯で、袴と着物の間に少しだけ見えるように着付けます。着物と袴がシンプルな場合は、アクセントになる色合いを選ぶことも。金銀の刺繍入りは華美な印象になるので避けた方が無難です。袴下帯(はかましたおび)や半幅帯(はんはばおび)、小袋帯(こぶくろおび)とも呼ばれます。

 

⑦きん着(きんちゃく)

手荷物を入れるための袋物です。口の部分に紐が通してあり、その紐で口を開閉できるようになっています。先生方が持たれる場合は、カジュアルになりすぎないデザインをおすすめします。

 

⑧着付け用小物

【A】腰紐(こしひも)

長襦袢や着物を着用する際に使用する細めの紐です。着付け方法や体型により使用する腰紐の数は異なります。

 

【B】伊達締め(だてじめ)

長襦袢や着物の上から巻き、着付けが緩んだりズレたりしないように押さえる役割を果たします。形状や素材はさまざまなタイプがあります。

 

【C】コーリンベルト

用途は腰紐と同じで、腰紐の代わりに使われます。伸縮性のあるゴム紐の両端にクリップがついており、クリップに着物を挟んで使います。

 

【D】衿芯(えりしん)

長襦袢に取り付ける半衿に入れ、衿の形状を整える役割をします。衿がしっかりするので、着物の衿元もきれいに整います。

 

⑨足袋(たび)

足の形に沿った袋状の履物で、洋装でいうところの靴下です。草履の着用時に使用します。柄や刺繍の入ったデザインもありますが、先生の袴姿の足元としては、白足袋が無難です

 

⑩草履

先生の礼装は、ブーツではなく草履が一般的です。普段、履き慣れていないものなので、歩き方には注意が必要です。歩きやすさを考慮すると、3~5cmくらいの高さが無難です。