卒業式の衣裳として着用する卒業袴。衣裳選びは完了したけれど、どんなメイクをするかまだ決めていない…という人が多いのではないでしょうか?実は、和装の際に普段と同じメイクをすると、着物や袴が引き立たないこともあるので、ここではコレだけは絶対避けるべき!というNGポイントについてご紹介します。

 

袴美人になるためのメイクの心得

最近のメイクは、ナチュラルなものが好まれる傾向にあり、普段のメイクはその方向で全く問題ないのですが、和装メイクの場合は異なります。着物、とくにハレの場で着用する晴れ着のデザインは洋服に比べると派手で華やかなものが多いため、ナチュラルなメイクではお顔の印象がぼやけ、着物のインパクトに負けてしまいます。かと言って、やりすぎメイクもNGですが、普段のメイクよりはややくっきりと華やかに仕上げるよう心掛けます。

最近は和装であっても、しっかりとした王道の和風メイクに仕上げることは少なくなっているので、極端に意識し過ぎる必要はありませんが、NGポイントだけは避けるように気をつけると、袴姿の美人度が上がること間違いなしです。

 

 

NGポイント・その1 「お顔の立体感が強すぎるのはNG!」

和装の場合、日本人形のようにほとんど陰影のない顔立ちの方が着物の美しさが映えます。逆にフランス人形のような目鼻立ちのくっきりした顔立ちだと、お顔と着物がどちらも強調しあってうまくバランスが取れません。

普段のメイクでは、部分的にハイライトやシェーディングを使ってお顔の立体感を演出している人も多いと思いますが、これがNGポイント。お顔全体はどちらかと言うとのっぺりと平坦に仕上げ、パーツを引き立たせるメイクをする方が、着物とのバランスも取れて双方が映えます。

和装のNGメイク_立体感

 

 

NGポイント・その2 「パールやラメ感が強すぎるのはNG!」

和装のベースメイクでは、普段よりワントーン明るめの肌色にする、というのが基本とされています。キメの細かい色白の肌は着物姿をより上品に美しく見せてくれるからです。

ですが、ここで気を付けたいのがパールやラメの使い方です。肌を明るく見せるために、ついつい多めに使いたくなってしまいますが、これがNGポイント。パールやラメでキラキラさせた肌の質感は、パーティドレスなどにはマッチしますが、着物には不釣り合いです。着物にはマットな質感の肌の方が似合います。パールやラメをプラスして明るく見せるのではなく、下地にコントロールカラーをうまく使って色白に見えるベースを作る、ファンデーションは少し明るめの色を使う、という方法で対応しましょう。

 

 

NGポイント・その3 「たくさんの色使いはNG!」

華やかな色使いの着物を着ていると、メイクにもいろいろな色を使いたくなりがちですが、これもNGポイント。着物そのものが華やかなので、お顔のパーツそれぞれにたくさんの色を使うと、ゴチャゴチャした印象になってしまいます。メイクは色味をあまり強調することなく、色数も控えた方が、かえってしっとりと上品な印象になり、和装の雰囲気にもマッチします。

例えばアイカラーは、ハッキリと色が分かるようにする必要はありません。着物に使われている色を単色で薄く乗せるくらいで十分です。またチークカラーも控えめに。ふんわり色づく程度でOKです。

和装のNGメイク_多色使い

 

 

NGポイント・その4 「バサバサのボリューミーまつ毛はNG!」

普段のメイクでは、つけまつ毛が必須!という人や、まつ毛エクステをしている人もいるでしょう。ひとみパッチリの愛らしい目元は女子の憧れでもありますが…。和装メイクではこれがNG。

自然な長さと量であれば、それほど影響はありませんが、バサバサとボリューム感のある欧米人のようなまつ毛は和装にマッチしません。和装には、どちらかと言うと日本人らしい切れ長の目元の方が似合います。

マスカラはカールをつけてボリューミーにするよりも、長さを出す方がおすすめ。つけまつ毛をつける場合は、目尻のみにつけると良いでしょう。

まつ毛を控えめにする代わり、アイラインはハッキリとした黒色でしっかりめに入れて目元を印象づけます。こうすることで、和装に似合う切れ長の目元が演出できます。

和装のNGメイク_ボリュームまつ毛

 

 

NGポイント・その5 「グロスたっぷりのギラギラリップはNG

和装メイクでは、色使いを抑えるのが鉄則ですが、リップだけは違います。ハッキリと色が分かるもの、特に「赤色」は和装に非常にマッチします。普段のメイクでは、ベージュやブラウン系などの肌に馴染む色を使っている人も、和装の時は華やかな色合いがおすすめです。色は着物の色と同系統の色を選ぶとバランス良くまとまります。唇はハッキリした方が全体が締まるので、普段だと、ちょっと濃いかな…?くらいでも大丈夫。肌と唇の境目がハッキリするよう輪郭をとってから色を乗せてください。

ただ、仕上げのグロス使いにはご注意を。和装には、どちらかと言えばマットな唇の方が似合います。パールやラメを多用したベースメイクが和装の雰囲気に合わないのと同じように、リップメイクもツヤがあり過ぎるとアンバランスになります。ラメやグリッターがたっぷり入ったグロスは控えて、唇がテカテカ&ギラギラにならないよう気を付けましょう。ただし、マットにし過ぎると古臭い印象になってしまうので、程よいツヤのある口紅を使うのがおすすめです。

和装のNGメイク_ギラギラグロス