袴スタイルは和装の中ではめずらしく、上(着物)と下(袴)のコーディネートが楽しめるスタイルです。組み合わせる色や柄はいく通りもバリエーションがあり、イメージや印象がガラリと変わる場合もあります。ここでは、着物の「柄」に着目して、その印象やコーディネートのコツをご紹介します。

 

「柄」の持つイメージや印象を袴選びに取り入れてみよう!

着物と袴、上下のコーディネートが楽しめるのは袴スタイルならでは特徴です。同じ袴でも、合わせる着物の色や柄を変えればガラリと印象が変わり、そこが醍醐味とも言えるのですが、卒業式は一回きり。何度もコーディネートを変えていろいろな袴スタイルを楽しむという訳にはいきません。まずは、卒業式の袴スタイルをどんな雰囲気で着こなしたいか具体的にイメージを膨らませましょう。

なお、色や柄といったデザインの種類は、袴よりも着物の方が圧倒的に多く、どれにしようか悩むところだと思います。ですが、着物の柄の種類は大きく分けると「古典柄」「モダン柄」「無地」の3タイプ。この、タイプごとのイメージや印象の違いを知っておくと、自分がなりたい袴スタイルの雰囲気に近づきやすくなるでしょう。

 

和の雅な雰囲気が漂う「古典柄」

古典柄は、桜や菊、扇や熨斗など、古来より描かれてきた伝統的な柄です。長い間、多くの人から愛され、引き継がれてきたものなので、時代を問わない美しさ、流行に左右されない魅力を持った柄と言えます。また、意味を持った柄が多いのも特徴で、例えば「菊」には延命や長寿、「扇」には発展や繁栄の想いや意味が込められています。同じ古典柄の中で、どの柄にしようか迷った場合は柄の意味から考えてみるのも良いかもしれませんね。印象としては、格調が高く、雅な雰囲気があるため、正統派の和のイメージで品良く着こなしたい人におすすめです。

単色の袴を合わせればベーシックな落ち着いた印象に、グラデーションの袴を合わせれば少し明るい印象になるでしょう。なお、バラの花やハートモチーフなどモダン柄があしらわれた袴との組み合わせはアンバランスになるので避けたほうが無難です。

古典柄01古典柄02

 

華やかで個性的な印象の「モダン柄」

モダン柄は、その名前の通り現代的にデザインされた柄です。もともと日本には無かったバラやダリヤなどの西洋花や、ハートやリボンなどのモチーフ、円や三角形などで構成した幾何学模様など、さまざまなバリエーションがあります。純和風で雅な印象の古典柄に比べると、大人っぽくクールなもの、乙女風のファンシーなもの、サイケデリックなものなど、イメージも多種多様です。また、その時代の流行を反映したデザインも多いので、より自分の好みに合ったスタイル、よりトレンドを意識したスタイルを目指したいという人に向いているでしょう。

大胆な柄や個性的な柄も多いモダン柄ですが、シンプルな袴を合わせることで落ち着いた印象に着こなすこともできるので、普段の洋服はベーシック系…という人であっても、袴スタイルであればチャレンジしやすいのではないでしょうか。可愛らしいイメージのモダン柄であれば、刺繍をあしらった袴を組み合わせて女の子っぽさを際立たせたコーディネートも良いですね。

モダン柄01モダン柄02

 

イメージ変幻自在の「無地」

無地には当然、柄は何も描かれていませんが、生地によっては吉祥文様などの地紋が織り出されているものもあり、光沢によって浮かび上がって見える紋は、繊細な印象を与えます。柄がない分、余計に生地の風合いが活きてくるのが無地ならではの魅力とも言えるでしょう。暖色から寒色まで色の種類も豊富ですが、例えば同じピンク色でも淡く明るいパステル系、オレンジがかったサーモン系などバリエーションも多彩なので、自分がイメージする袴スタイルを叶えやすいのも魅力です。

すっきりとシンプルな見た目なので、合わせる袴はどんなものでもマッチします。刺繍入りの袴と合わせて愛らしく、グラデーションの袴で華やかに、全体に柄をあしらった袴で個性的にといった具合に、袴の組み合わせ方でもイメージを自由に演出できます。あえてシンプルな単色の袴を合わせ、ヘアースタイルや小物のコーディネートで個性を発揮する、というスタイルも良いかも知れませんね。

無地01無地02